【木田 トウセイ】Snow Man・目黒蓮抜擢が決まった『SHOGUN 将軍』シーズン2…早くも業界関係者が【大コケ】を予想するワケ

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シーズン1は全世界で大ヒット

2024年に世界中を席巻した、Disney+によって独占配信されたドラマ『SHOGUN
将軍』。西暦1600年の日本を舞台に、武将・吉井虎永が天下分け目の「関ヶ原の戦い」前にした権力闘争の中で、漂着した英国人航海士のジョン・ブラックソーンとの出会いをきっかけに、日本の覇権を巡る壮大な策略を繰り広げていく戦国ドラマだ。

同作は、その圧倒的な映像美と緻密な時代考証、主演を務めた真田広之らの確かな演技力と白熱したアクションシーンが評価されて、アメリカのテレビ界で最も権威あるといわれる「エミー賞」で史上最多となる18部門を受賞するという快挙を達成した。

また、日本文化の正確な描写や日本語のセリフを中心に展開されるストーリーは、ハリウッドに新たな風を吹き込み、多くの視聴者を魅了した。

そんな記憶にも記録にも残る配信ドラマとなった同作のシーズン2の制作が早くも決定。1月中旬からカナダ・バンクーバーで撮影が開始されているようで、新しいキャストには俳優、アイドルとしてトップクラスの知名度と人気を誇るSnow
Man・の起用も決定された。

期待が膨らむばかりだが、一部では「大コケするのでは?」「期待できない」「なぜが……」といった声が囁かれているという。

その理由とは何なのか。業界関係者たちのリアルな意見を聞いた。

懸念点は完全オリジナルストーリー

「正直言って、シーズン2のヒットは厳しいと思います」

そう語ったのは、キー局を退社後、国内配信プラットフォームでドラマやバラエティ番組のプロデューサーを務めるA氏だ。

「シーズン1は、世界中で評価を受けたジェームズ・クラベルによる原作小説をベースに作られていました。シーズン1のヒットは原作が持つ緻密なストーリー展開の面白さにあった。しかし、シーズン2は原作の内容を使い切ってしまったため、完全なオリジナルストーリーになるとされています。これは、成功した作品の続編が陥る最も典型的な不安要素なんですよ」

A氏が指摘するように、原作ものの続編の成功例は極めて少ない。特に『SHOGUN
将軍』のように、歴史的背景と緻密なプロットが売りだった作品において、その土台を失うことは致命傷になりかねない。

「発表されている時代設定はシーズン1から10年後。この時間経過が、物語の面白さやキャラクターの深みを損なう可能性が高い。

シーズン1は、関ヶ原の戦い前夜の権力闘争であり、史実とフィクションが絶妙に絡み合う緊張感があった。しかし、シーズン2ではその後の歴史、すなわち徳川家康(作中では吉井虎永)が天下を掌握した後の物語を描くことになる。

そもそも、シーズン1は、吉井虎永が天下を掴むための壮大な策略を描き切っており、物語として美しく完結していました。あの結末をあえて掘り起こし、吉井虎永の治世という安定した時代背景を描くのは、ドラマとしてのダイナミズムを失うことに繋がりかねない。成功した作品の続編は、往々にして蛇足と批判されますが、同作のシーズン2はまさにそのリスクを背負っていると言えるでしょう」

A氏は、歴史劇としてのピークを過ぎた後の物語を描くことの難しさを強調する。天下人が決まった後の物語では、政治的な駆け引きに終始し、シーズン1のような命懸けの脱出劇や合戦前夜の昂揚感を生み出しにくいからだ。

ハリウッドの脚本家事情と真田広之に課せられた負担

また、A氏はハリウッドの脚本体制についても不安視する。

「近年、ハリウッドでは若手の脚本家によるチームライティングが組まれるケースも増えている。経験値の少ない作家が、“10年後”という新しい設定だけを課せられて、歴史的事実との整合性を保ちつつ、シーズン1を超えるような緊張感や人間ドラマを生み出すのは、至難の業と言わざるを得ません」

ディズニー傘下が制作する本作は、当然ながらアメリカの脚本家組合のルールに則って制作される。昨今のストライキを経て、脚本家の権利は守られるようになったが、一方でコスト削減のために経験の浅いライターが起用されることが多いライターズルームの弊害があるという。

「もちろん、ライターズルームに抜擢された彼らもドラマ執筆経験は多いのでしょうが、配信ドラマにおいては数字がすべて。内容の深みよりも、安易な対立構造や誇張したキャラクター造形を求められる。その板挟みの中でシーズン1を超えるものを作ることができるとは考えにくい」

また、深刻な問題として浮上しているのが、主演兼プロデューサーである真田広之への過度な負担であると、ハリウッドに精通する映画ライター・B氏は語る。

「シーズン1は、真田さんが主演だけでなくプロデューサーとして、時代考証や所作の監修、脚本のチェックまで、文字通り全てを背負って成立させた。彼はハリウッドの制作システムの中で、日本の文化や美意識を一切妥協せずに守り抜いていた。自身の出番がない日も現場に詰め切り、エキストラの着こなし一つまでチェックしていたというのは有名な話です。

シーズン2でも、制作側はクオリティを維持するために、真田さんに頼り切るしかないと思いますが、一人の人間が脚本、予算、キャスティング、現場の全てを完璧にコントロールし続けることには限界がある。

真田さん自身も、シーズン2について大きなプレッシャーを感じているようで、彼の心身の疲弊がそのまま作品のクオリティに直結するリスクがあると思います」

さらに、B氏によるとシーズン2の撮影地であるカナダ・バンクーバーの現場は極めて過酷だという。

「バンクーバーでの撮影は、日本の俳優陣にとって長期間の拘束を意味する。特に目黒さんのようなトップアイドルは、日本でのスケジュールとの調整が難しい。彼のような人気俳優を長期間拘束することは、日本の芸能界の慣習から見ても異例中の異例です。制作側は、その過酷なスケジュールを乗り切るために、真田さんにさらなる負担を強いることになるでしょうね」

日本ロケを望んでいた真田広之と制作サイドの対立

B氏は、真田広之がシーズン2での日本ロケを検討していたが、予算面で難しくなった背景についても言及した。

「日本でロケを実施すれば時代劇のクオリティを上げられますし、キャストの負担も減る。真田さんはそうした意味でも日本ロケを望んでいたようですが、ハリウッドの制作システムから見れば、更なるコストとスケジュールの複雑化を招く。バンクーバーに広大なセットを組んだほうが、ハリウッドの制作陣にとってはコントロールしやすい。真田広之さんも粘ったようですが、予算面で真っ向から衝突してしまったみたいです」

シーズン1の成功により、制作費は跳ね上がった。しかし、その多くはキャストのギャラや、バンクーバーでの巨大なセット維持費に消えてしまうそうだ。

「ディズニーとしても『エミー賞』を獲った手前、クオリティは落とせません。しかし、ビジネスとしては回収の見込みを立てなければならない。その結果、コストがかかる日本ロケが切り捨てられた。これは、真田さんが重視していた本物志向への大きな打撃です。

バンクーバーの森を日本の山に見立てるのには限界がある。視聴者はシーズン1で目が肥えていますから、違和感を覚えていくでしょう。

彼に頼りきりになっておきながら、バンクーバーでのロケを貫いたことはビジネス的には正しいのでしょうが、真田さんや他のキャストのモチベーションに大きく作用しているでしょうね」

後編『Snow Man・抜擢の是非…『SHOGUN 将軍』シーズン2への業界関係者の本音』では、シーズン2に抜擢されたSnow
Man・への業界人の本音をお届けします。