
2023年2月1日、東京の難関私立中学校において、受験生たちの間で衝撃が走りました。海城中学校や攻玉社中学校などの入試問題に、今や国民的な文化現象でもあるアニメキャラクターが登場したのです。入試問題の中に「機動戦士ガンダム」や「ポケモン」など、昨今のアニメブームを象徴する題材が盛り込まれ、多くの保護者や教育関係者がその意図を問う声を上げています。
各校とも、入試のスタートを切ったこの日、180を超える学校が一斉に受験を実施し、受験者数は約52,000人と見込まれています。その中でも、特に注目を集めたのが「難関校」として知られる海城中学校の生物学の問題。問いの中では、「ポケモン」に登場するニョロモとニョロトノを用いて、生物の進化やそのメカニズムに関する深い理解を試みています。生物学における知識を単純に問うのではなく、アニメを取り入れることで、受験生たちが楽しみながら自然科学の理解を深めることを目的としています。
特に海城中学校の理科担当者は、「ポケモンは長年、小学生に人気があり、キャラクターの進化と実際の生物学的な進化の違いを考えさせる良い材料です。我々は、生物用語をただ知っていることを超え、観察力や洞察力を試す意図を持って出題しました」と説明しています。このような視点から見れば、アニメが教育に組み込まれることは新たな形の学びの場を提供するものとして受け入れられています。実際、教壇でのアニメの使用は、受験生たちが実社会の現象に対しどのように考え、分類し、解析するかという能力を引き出す方法として、ますます重要視されているのです。
一方、教育評論家である親野智可等氏は、このアプローチに対して懸念を示しています。「キャラクターが登場することで、公平性が失われる危険があります。子どもがそのキャラクターを知っているかどうかが、解答の可否に大きく影響する可能性があるのです」と述べ、アニメを用いた問題が本当の意味での学びに貢献するかどうかには疑問を呈しました。
攻玉社中学校の問題では、受験生が「機動戦士ガンダム」を前提とする質問に直面しており、テレビ放映以来実に半世紀以上が経過したアニメ作品から出題されたことは、受験生にとって非常に挑戦的な課題となりました。特に、親世代にとっても馴染み深い作品ではあるものの、12歳や13歳の子どもたちにはその知識が必ずしも備わっているわけではないという点が議論を呼びます。
このような問題を作問するにあたって、海城中学校では「ポケモンを知らない受験生への配慮が必要」という意見もありました。そのため、問題は図と文章で解けるように設計され、アニメを知らない受験生でも公平に回答できる機会を確保する工夫がされています。そのような努力がなされている反面、実際に受験生がどのように感じたのかについては、試験終了直後ということもあり、十分なフィードバックを得られていない現状です。
今後、これらの入試問題がどの程度の正答率を示すのか、また受験生からの反響がどうなるのか、教育界全体が注目しています。アニメを通じて科学を学ぶことの楽しさが広がる一方で、公平性や教育の本質に関する議論も続くでしょう。このアニメと教育が交錯する新たな試みに、果たしてどのような未来が待っているのでしょうか。