近年、世界的建築家・隈研吾氏がデザインした建物が、完成からわずか数年で劣化が進んでいるとの報道が相次いでいます。特に、群馬県富岡市にある市役所庁舎や、東京の高尾山口駅などが問題視されており、木材を多用した外装が雨や湿気による影響を受けやすいことが指摘されています。
富岡市役所庁舎は、2018年に完成し、約40億円の費用で建設されましたが、外装の木材に腐食や劣化が見られ、早くも大規模な修繕が必要となる見通しです。市は調査を行い、確かに外部金具や軒裏に錆や腐食が確認されたことを発表しました。修繕費用は3億円にも上るとされ、税金が投入されている公共施設においては、耐久性やメンテナンスの重要性が再認識されています。
また、高尾山口駅も2015年にリニューアルオープンしましたが、完成後数年で外壁にカビが発生し、一部では全面的な修繕が求められるとの声が上がっています。この駅は観光地の玄関口として多くの人が訪れる場所であり、耐久性やメンテナンス計画が重要視されるべきです。地元住民や専門家からは、デザイン重視が過ぎて、実用性が犠牲になっているのではないかとの指摘が寄せられています。
隈氏の建築に対する批判は、耐久性やメンテナンス費用の問題に限らず、バリアフリー設計の不備にも及んでいます。名古屋で建設予定の新たな体育館の設計案において、階段が多く配置されており、車椅子ユーザーや高齢者に配慮が欠けているとの批判が殺到しています。利用者の利便性や安全性を考慮する必要があるとの声が高まる中、隈氏の建築設計が本当に適切であったのか疑問が呈されています。
隈研吾氏は、木材を使った独自のデザインや自然との調和を強調してきましたが、公共施設においては利便性や耐久性も同時に考慮されるべきです。建築はただの芸術ではなく、使用者の生活に直結するものであるため、社会全体でその在り方を見直す必要があります。
今後、隈氏の建築に関するさらなる情報や改善策が求められる中、彼自身の再婚説などプライベートな話題も注目されていますが、まずは公共建築の設計に対する責任が問われる状況です。私たちの生活に密接に関わる建物の設計について、より多くの議論が期待されます。