2025年3月28日、喜劇俳優の芦屋小雁さんが91歳で亡くなったという悲しいニュースが報じられました。彼は昭和のテレビドラマ『裸の大将』での活躍などで広く知られ、多くの人々に愛されてきた存在でした。しかし、彼の人生は舞台上の華やかさとは裏腹に、波乱に満ちたものでした。
本名は西秀夫。1933年12月4日に京都で生まれた芦屋さんは、兄のあや元之さんとともに漫才コンビを組み、戦後のテレビブームの中で人気を博しました。1950年代後半から放送されたテレビドラマや映画に多数出演し、特に『裸の大将』では山下清役を演じ、一世を風靡しました。彼の独特の演技は多くの人々の心を捉え、老若男女を問わず愛されてきました。
プライベートでは3度の結婚を経験した芦屋さん。最初の結婚は1960年で、合同結婚式が話題を呼びましたが、1987年に離婚。その後、人気女優の斎藤智子さんと再婚しました。二人の年齢差は約30歳でしたが、結婚会見では年齢差を感じさせない仲の良さを見せていました。しかし、わずか8年後の1995年に再び離婚しました。離婚の理由として、芦屋さんの趣味やライフスタイルの違いが挙げられています。
再婚後、芦屋さんは1996年に女優の優香子さんと結婚し、晩年を共に過ごしました。優香子さんとの生活は互いに支え合うものであり、特に認知症を公表した後は在宅介護を続けながら喫茶店の店長としても活動しました。彼はお客様と接することで生きがいを見出し、笑顔を絶やさず接客を行っていました。
芦屋さんの晩年は、認知症の進行に伴う不安と戦いながらも、少しでも人々を楽しませたいという思いで満ちていました。彼の姿勢は多くの人々に勇気を与え、最期まで周囲に笑顔をもたらす存在であり続けました。
2023年に入ってから、喫茶店での活動を通じて新たな居場所を見つけた芦屋さん。その姿は多くのファンに感動を与えました。彼は最期の日々を妻の優香子さんと共に過ごし、愛に包まれながら静かに旅立ったと伝えられています。
芦屋小雁さんの人生は、昭和から令和にかけての日本のエンターテインメント界を駆け抜けた一人の喜劇俳優としての軌跡でした。彼の存在は今後も多くの人々の心に残り、笑いを通じて人々を幸せにするというテーマは、永遠に語り継がれることでしょう。