元幕内力士であり、時風部屋の親方として知られる全都風親方(坂本正浩)が、偽造された駐禁止除外指定者表彰を使用した疑いで逮捕された。この事件は、同親方が過去に引き起こした数々の不祥事の延長線上にあるものであり、力士や相撲界に与える影響は計り知れない。
逮捕の発端は、全都風親方が障害者や介護者向けに発行される公的な表彰を偽造し、路上駐車の取り締まりから逃れるために使用した疑いだ。警視庁の調べによると、昨年7月頃から複数の偽造表彰を使用し続けていたと見られ、これにより公文書偽造罪が適用されている。全都風親方は容疑を認めているものの、この行為は相撲界における倫理観を大きく揺るがすものである。
全都風親方は、2021年に日本相撲協会の厳しいガイドラインを無視し、違反行為を繰り返していたことが発覚し、最終的には退職勧告を受けた。その際、彼は退職届を提出し、30%減額された退職金を受け取ったが、退職会見での無表情や短い謝罪は、周囲の失望を招いた。
さらに、全都風親方は過去にも大きな不祥事に関与しており、特に2007年に発生した時つ部屋力士暴行事件は衝撃的であった。この事件では、新入門の力士が暴行を受け、最終的に死亡するという痛ましい結果を招いた。全都風親方は、暴行の中心人物として認定され、懲役5年の実刑判決を受けた。この事件は相撲界全体の信頼を揺るがし、イメージにも大きな打撃を与えた。
今回の逮捕に関しては、全都風親方が過去の不祥事から何も学んでいないことが明らかになり、再び相撲界が不名誉なニュースに直面することとなった。相撲協会内部からは「またか」という声が上がり、ファンや関係者の失望感は深まっている。
全都風親方は、力士や部屋つき親方としての責任を果たせず、度重なる不祥事を引き起こしてきた。相撲界における彼の地位は、その行動によって崩壊しており、師匠としての模範を示すことができなかった。このような状況を受けて、今後の相撲界にはより厳格なコンプライアンスが求められるだろう。
今回の事件は、相撲界の信頼回復に向けた重要な教訓となることが期待されている。全都風親方の逮捕が、相撲界の再生に向けた第一歩となるのか、今後の動向に注目が集まる。