志村けんの豪邸がゴミ屋敷状態にあることが明らかになり、数千点の遺品が廃棄処分される事態となった。志村けんさんは2020年3月29日に新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなり、以来、彼の自宅は空き家のままとなっていた。今年の3月から、ついに解体作業が始まったが、近隣住民からは「廃墟のようになっていた」との声も聞かれる。
志村さんの兄、友幸さんは、遺品整理の苦労を語った。兄弟が相続したこの家は、志村さんの思い出が詰まった場所であったが、放置状態が続いたため、近隣の人々からは心配の声が上がっていた。友幸さんとその妻は、夜間にこっそりと自宅を訪れ、整理を試みていたが、体力的な限界に達してしまったという。
志村さんの自宅には、古いビデオテープやDVD、数々のトロフィー、愛用の料理器具などがそのまま残されていた。友幸さんは「物が多すぎて、どこから手をつければ良いか分からなかった」と述べ、業者に依頼して遺品を全て処分することを決断した。彼は「できることなら残しておきたかったが、現実的には無理だった」と言葉少なに振り返る。
唯一持ち帰ったのは、志村さんが作ったロゴ入りデニムキャップで、友幸さんは「弟が気に入っていた帽子なので、これだけは持って帰ろうと思った」と語った。この帽子は、志村さんとの思い出を抱きながら、友幸さんの日常の一部となっている。
志村けんさんの突然の別れから5年が経とうとしているが、彼の遺品の行く先や、家の解体作業が進む中で、残された思い出はどのように扱われるのか、その行方は依然として気になるところである。