皇后雅子さまの慰問の原点、被災少女との絆の物語
阪神淡路大震災から30年を迎えた1月17日、兵庫県で追悼式典が行われ、天皇陛下は震災の悲劇を振り返り、被災者への思いを語りました。震災当時、雅子さまは天皇陛下とともに被災地を訪れ、被災者たちに寄り添う姿勢を貫いていました。
特に印象深いのは、避難所で出会った一人の少女との交流です。1995年3月5日、両陛下が宝塚市の避難所を訪れた際、当時9歳の少女は雅子さまに似顔絵を描いてプレゼントしました。少女は緊張しながらも一生懸命に描いた絵を手渡し、雅子さまは「どうもありがとう、大切にします」と微笑みました。この瞬間が、雅子さまの心に深く刻まれました。
その後、雅子さまから少女にお礼の手紙が届きました。手紙には、励ましの言葉が綴られており、少女はその手紙を何度も読み返し、辛い時の支えにしていたといいます。雅子さまの優しさは、少女だけでなく、他の被災者たちにも勇気を与えました。
名古屋大学大学院の葛西准教授は、皇室の被災地訪問の意義を「国民と共にある象徴」と述べ、震災の記憶を風化させない重要性を指摘しました。雅子さまとの交流を通じて、彼女は自らが求められていることを実感し、寄り添うことの大切さを再認識したのかもしれません。
今回の追悼式典においても、雅子さまは被災者への思いを胸に、全力で臨みました。避難所での出会いは、今もなお雅子さまの心を支え続けているのです。