2025年3月5日、東京ヤクルトスワローズの山田哲人内野手(32)が、開幕前に囁かれていた早期引退の噂について初めて口を開き、その背景にある理由を明かしました。山田は1日の巨人戦で負傷し、「左手指の腱の脱臼」と診断されたことで、開幕戦出場が絶望的となっていました。
山田は、打球を捕球しようと飛び込んだ際に左手を負傷し、翌2日から試合を欠場。検査の結果、高津臣吾監督は「左手の指の腱の脱臼という診断で、3週間前後は固定が必要。開幕は厳しい」と説明していました。主将就任5年目を迎えた今季、故障続きで苦しんできた山田は、強い決意で準備を進めてきただけに、このケガは大きな打撃となりました。
これまで沈黙を守っていた山田ですが、5日に報道陣の取材に応じ、早期引退説について次のように語りました。「ケガが続いて思うようにプレーできない時期が長く、正直、心が折れそうになったこともありました。引退という言葉が頭をよぎったのは事実です。でも、ファンの応援やチームメイトの支えがあって、ここまで頑張ってこられた。今回のケガで開幕に間に合わないのは悔しいけど、まだ諦めるつもりはありません。」
高津監督は山田の復帰について、「3週間固定した後、リハビリで状態を取り戻す時間も必要。しっかり治して良い状態で戻ってきてほしい。ただ、それがいつになるかは何とも言えない」と慎重な姿勢を示しました。一方で、山田自身は早期復帰への意欲を見せており、「一日でも早くグラウンドに戻れるよう、全力で治療とリハビリに取り組みたい」と前向きな言葉を残しました。
近年、故障による不振が続きながらも、チームの顔として奮闘してきた山田。今回の発言で引退説を否定しつつも、その胸中にあった葛藤が明らかになり、ファンや関係者の注目がさらに集まっています。