池袋駅構内で発生した大学生殺人事件は、1996年4月11日に起こり、100人以上の目撃者がいるにもかかわらず、未だに解決を見ていない衝撃的な事件である。被害者の21歳の大学生、計算は就職活動のストレスを解消するために友人と食事をしていたが、帰宅途中に何者かに絡まれ、暴行を受けた。その結果、医療ミスも重なり、彼は事件から5日後に亡くなった。
事件当夜、計算は終電間際の池袋駅で、スーツ姿の男に肩が触れたことを理由に絡まれ、逃げようとしたが追い詰められた。周囲には約30人の目撃者がいたものの、事件の解決に繋がる情報は乏しかった。目撃者の中で名乗り出たのはわずか9人であり、犯人の詳細な似顔絵が作成されたものの、捜査は進展を見せなかった。
計算の父親は独自に情報収集を行い、約3週間後には池袋駅でビラを配布した。しかし、事件から数ヶ月後、父親は似顔の男を発見するも、見失ってしまう。事件は当初、傷害致死罪として扱われ、時効が迫る中、父親は署名活動を開始し、約3万5000人の署名を集めた結果、事件は殺人罪に切り替えられた。
さらに、2010年には殺人罪の時効が撤廃され、現在も捜査は続いている。事件の根底には「防寒者効果」と呼ばれる心理現象が影響しており、周囲の目撃者が行動を起こさなかったことが問題視されている。この事件は、今後の社会における目撃者の責任についても重要な教訓を提供している。警察は未解決事件として捜査を継続するとし、引き続き情報提供を呼びかけている。